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となりのヨンヒさん

となりのヨンヒさん scrap

Yeonghui Next Door

  • Author(s)

    Jeong So Yeon정소연

  • Translator(s)

    吉川凪요시카와 나기

  • Publisher

    集英社 集英社

  • Country

    JAPAN

  • Language

    Japanese(日本語)

  • Year Published

    2019

  • Category

    Science Fiction SF

  • Target User

    Young adult 청소년

  • Period

    Contemporary 현대

Description 작품 소개

【書評】『韓国SF、降臨!』 評者:小谷真理さん
 昨今、欧米のSFを吸収しながら、独自の世界を構築して、大きく花開いたアジア系SF作家の活躍が目覚ましい。その中で本書は、韓国発の女性作家の手になるSF短編集。

 表題作は、隣人としてのエイリアンを描く。すでにエイリアンが地球に移住しているが、まだそれほど一般的なことではない、という設定なのだ。主人公は美術講師で、下宿した部屋のお隣に、エイリアンが居住している。

 SF世界で人とエイリアンとの関係といえば、欧米産SFの主流がいまだに闘争のイメージが強いせいか、なんとなく身構えてしまうのだが、本書の場合は一味違う。人間とは似ても似つかない隣人相手の話なのに、海外留学に来た外国人の隣で暮らすような話に見えるのだ。だがその日常感覚が、かえって異質なものに対して私たちが持つ偏見や差別意識といった現実の諸問題を、さりげなく浮かび上がらせ、ふと立ち止まらせる。

 他の作品も、エイリアンのみならず、ウラシマ効果や多元宇宙といったSF的な道具立てを用い、数々の不可思議さにみち溢れた世界の話なのだが、そこで生きている人々を非常に丁寧に描写する。そのリアリティの圧倒的なこと!

 一番どきりとした話は、アメリカのSF作家として著名なジェイムズ・ティプトリー・ジュニア自身が登場する短編「アリスとのティータイム」だった。男性作家として一世を風靡しながら女であることを暴露された、あの稀有な天才作家の壮絶な人生を、エイリアンですら自然体の日常感覚で描く著者がどう書いたのか。ネタは割れないが、穏やかさが時としてこれほどの衝撃性を孕むとは知らなかった。

 ティプトリーを主人公にするくらいだから、かの作家からフェミニズムSF的な方法論を学んでいることが窺われる。知的な大人の女性の思想であるフェミニズムを懐に忍ばせながら、本書では全体的には少女少年むきのストーリーに仕立てているところが心憎い。そのへんの姿勢が、日本の少女漫画家・佐藤史生や萩尾望都と期せずして共鳴しており、読んでいてワクワクしてしまった。

小谷真理(SF・ファンタジー評論家)
(『青春と読書』1月号より転載)

Reference

集英社, となりのヨンヒさん, https://www.bungei.shueisha.co.jp/shinkan/, accessed 27 November 2023

Author Bio 작가 소개

【書評】『韓国SF、降臨!』 評者:小谷真理さん  昨今、欧米のSFを吸収しながら、独自の世界を構築して、大きく花開いたアジア系SF作家の活躍が目覚ましい。その中で本書は、韓国発の女性作家の手になるSF短編集。  表題作は、隣人としてのエイリアンを描く。すでにエイリアンが地球に移住しているが、まだそれほど一般的なことではない、という設定なのだ。主人公は美術講師で、下宿した部屋のお隣に、エイリアンが居住している。  SF世界で人とエイリアンとの関係といえば、欧米産SFの主流がいまだに闘争のイメージが強いせいか、なんとなく身構えてしまうのだが、本書の場合は一味違う。人間とは似ても似つかない隣人相手の話なのに、海外留学に来た外国人の隣で暮らすような話に見えるのだ。だがその日常感覚が、かえって異質なものに対して私たちが持つ偏見や差別意識といった現実の諸問題を、さりげなく浮かび上がらせ、ふと立ち止まらせる。  他の作品も、エイリアンのみならず、ウラシマ効果や多元宇宙といったSF的な道具立てを用い、数々の不可思議さにみち溢れた世界の話なのだが、そこで生きている人々を非常に丁寧に描写する。そのリアリティの圧倒的なこと!  一番どきりとした話は、アメリカのSF作家として著名なジェイムズ・ティプトリー・ジュニア自身が登場する短編「アリスとのティータイム」だった。男性作家として一世を風靡しながら女であることを暴露された、あの稀有な天才作家の壮絶な人生を、エイリアンですら自然体の日常感覚で描く著者がどう書いたのか。ネタは割れないが、穏やかさが時としてこれほどの衝撃性を孕むとは知らなかった。  ティプトリーを主人公にするくらいだから、かの作家からフェミニズムSF的な方法論を学んでいることが窺われる。知的な大人の女性の思想であるフェミニズムを懐に忍ばせながら、本書では全体的には少女少年むきのストーリーに仕立てているところが心憎い。そのへんの姿勢が、日本の少女漫画家・佐藤史生や萩尾望都と期せずして共鳴しており、読んでいてワクワクしてしまった。 小谷真理(SF・ファンタジー評論家) (『青春と読書』1月号より転載)

Original Work 원작

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